プロフィール

理念は「最新のものは常に伝統の中にある」。伝統をしっかり受け継ぎながら、新しい技術やデザインに挑戦し、次の世代に伝える新しい伝統を作り上げてきました。2002年には、ユニセフカードに加賀友禅「花車」が採用されました。

現在は着物だけではなく、加賀友禅の手染めの技術、絵模様や色彩を活かして、暖簾、半纏などの染物、風呂敷や扇子などの小物、レストランやホテルのインテリア・建築資材なども手掛けています。

写真はユニセフカードに採用された花嫁のれん「花車」

加賀友禅ってなーに?

名前は知っているけど、歴史や特徴はよく知らない。実はそういう人が多いのではないでしょうか。それはもったいない話です。
知れば知るほど面白くなるのが加賀友禅。そこで、Q&A方式と動画で加賀友禅の基礎を紹介しました。

加賀友禅Q&A

加賀友禅初心者の多くが抱く疑問をまとめました。Q&Aの後に動画を見ると、より一層理解が深まります。

Q1
そもそも加賀友禅とは何ですか?
加賀友禅は加賀友禅染のことです。加賀友禅の手法で染めたものを加賀友禅といいます。
Q2
京友禅、江戸友禅など、友禅がつくものがいくつもありますが、友禅とは何ですか?
友禅とは、友禅染の技法を考案した宮崎友禅斎の名前からとられたものです。彼が考案したのは、「糸目糊」という糊で、絵の輪郭を描くという方法でした。糊が堤防の役割を果たして、隣の色と混ざるのを防ぐのです。それによって鮮やかな色を出すことが可能になったのです。絵が乾いたら「糸目糊」を洗い流します。これが「友禅流し」です。
Q3
宮崎友禅斎とは、どのような人ですか?
現在の石川県能登市で生まれで、当初は京都で扇絵師として活躍していました。その後、扇絵師の技法を応用して小袖(着物)に華やかな絵柄を描くようになりました。晩年、石川県(金沢)に戻り、加賀友禅の発展に貢献しました。
Q4
加賀友禅のルーツと言われる「お国染め」とは何ですか?
加賀は、もともと高度な染色技術を持つ地域で、その歴史は500年に及びます。梅の皮や渋で布地を染める「梅染」から始まり、模様染めの「加賀紋」や黒染めの「兼房染」など様々な染色方法が誕生しました。このような染色法の総称が「お国染め」です。こうした歴史を持つ加賀に、宮崎友禅斎の技術やセンスが加わることで、加賀友禅が誕生したのです。
Q5
加賀友禅の特徴は何ですか?
まず、しっとりとした加賀五彩(藍、臙脂、黄土、草、古代紫の5色)を基調として描かれていることでしょう。描かれているのは、主に写実的な草花。よりリアリティを出すために、虫食いの葉を描いたり、外側から中に向かって淡い色にすることで立体感を出す「外ぼかし」という手法が使われていることも特徴でしょう。京友禅のように刺繍や金箔など染色以外の技法はほとんど使いません。京友禅と比較して武家的と表現されることもあります。
Q6
手描き友禅と板場友禅(型友禅)の違いは何ですか?
手描き友禅は、図案を考えたり、下絵を描くところから、染めの仕上げまで、全ての行程を基本的には一人の作家が手作業で行います。それに対して、板場友禅は、明治時代にできた技法で、図案に基づいて型紙をつくり、職人は型紙に沿って色合わせや型づけをしていきます。地染めで色が入ってこないように伏せ糊で全体を覆った後の行程は手描き友禅と同じです。板場友禅は型紙を使うので、同じものを大量につくれるし、分業も可能です。

加賀友禅の制作風景

加賀友禅の制作現場を紹介した動画です。伝統の技が具体的にわかります。

加賀友禅のこと、ちょっと詳しくなっていかがでしょうか。すでに、図柄がこれまでとは違って見えてきた方もいるかもしれません。実店舗では、体験プログラムもありますので、興味を持った方はぜひご参加下さい。

お店から一言

古い町屋が並ぶ里見町で明治時代から続く工房「茜や」に、加賀友禅の技術の極意に触れられる体験工房「茜やアーカイブギャラリー」を併設しています。体験プログラムだけではなく、加賀友禅の技法を活かした様々な商品も販売しています。金沢に来た際は、ぜひ、お立ちよりください。

写真は茜やアーカイブギャラリー店内。

取扱商品

実店舗へのアクセス

工房(奥田染色株式会社 茜やアーカイブギャラリー)
〒920-0998 石川県金沢市里見町53−1
営業日時:毎週 土日祝 10:00~17:00
金沢21世紀美術館より徒歩5分

地図